「S-Net(胃がん・大腸がん・乳がん・肺がん)」連携システム
1.連携システム発足までの経緯
当医師会は以前より『イーツー(医-2)ネット』の名称で、診療所と病院との2人主治医制による病診連携を積極的に行ってまいりました。同時期に病院でも、がん診療拠点病院や地域支援病院の設置、がん対策基本法などにより病診連携や在宅緩和ケアのネットワーク構築を必要としました。その様な状況下において当医師会は静岡市立静岡病院と約8か月の協議の後、平成18年12月より胃がん・大腸がん・乳がんの術後パスを用いた病診連携を開始しました。同時期に静岡県立総合病院と術後パス、静岡赤十字病院は在宅緩和ケアそれぞれの分野での協議・検討を開始しています。それぞれの病院と異なったツールで連携を行うのは診療所にとっては非常に煩雑になるため、当医師会は 5病院に共通したパスの作成と運用を提案し、平成19年2月に5病院の医師らと『5病院共通パスを検討する会』を開催しました。その際に病院医師より病院内の診断治療はお互い切磋琢磨するも、地域との連携はなるべく同じシステムが望ましく、術後のパス運用だけでなく地域のがん診療の諸問題を検討する会にしようとの意見が上がり、名称も『静岡市がん診療地域連携協議会(S-NET)』へと改名します。その後静岡市薬剤師会・静岡ケアマネ協会・葵区駿河区看護ステーション連絡会の参加を得て、平成19年5月に第1回総会を開催したのち活動を開始しています。
共通パスは、既に運用を行っている静岡市立病院とのパスを基本に作成する事を、静岡市立病院が快諾して下さったことによりスタートすることができました。 各病院の胃がん・大腸がん・乳がんの疾患別担当者を決め、医師会の疾患別担当者とともに検討会を行い、胃がん・大腸がんは早期・進行がんそれぞれ5年間のパスを、乳がんは10年間のパスを作成しています。
2.連携システムの概要
3.連携システムの運用の実際
術後連携パス
内服抗がん剤チェックシート
参加専門医病院: 静岡県立総合病院、静岡市立静岡病院、静岡赤十字病院、静岡済生会総合病院、静岡厚生病院、静岡市立清水病院
参加するかかりつけ医: 167人
登録患者数: 約7,371人 (2022年3月末時点)