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災害医療

静岡県は、近い将来大地震が発生するおそれがあり、市全域で激しい地震動に襲われる他、沿岸部では津波による被害が発生するものとみられています。静岡市地域防災計画によると、「市は、地震による災害が発生した場合は、医師会等の協力を得て、あらかじめ指定した場所に救護所を設置する」ことになっています。2022 年 9 月現在、救護所の設置場所として指定された小学校(一部中学校)は葵区、駿河区合わせて 37 か所あります(救護所一覧表)。

自治会との連携強化

静岡市では、市からの要請があるか、静岡市内の最大震度6強以上のとき、自治会、医療従事者、行政と学校関係者の「四者」が協力して、市からあらかじめ指定された小学校(一部中学校)に「災害時医療救護所(救護所)」を設置することになっています。発災直後から多数の救護所を立ち上げるためには、特に自治会との連携が重要です。連携を強化するために、私たちは市と共に「救護所掲示物」を作成し、「地域防災訓練事前連絡会」「四者会合」、「救護所設置訓練」を開催しています。

救護所掲示物(図)

発災時には医師が出動するまでに時間がかかるため、医師が不在でも救護所を速やかに設置できるよう、①救護所設置手順②運営ルール③学校平面図からなる B1 判の救護所掲示物を作成し、全救護所に配備しました。発災後、救護所設置予定場所に到着したら、まず最初にこの救護所掲示物を掲示してください。そしてこれを参照しながら、自治会、行政、学校関係者が協力して救護所を立ち上げていただければ、そこに参集した静岡医師会の医師が中心となって医療救護活動をスムーズに行うことができると考えています。
救護所掲示物

地域防災訓練事前連絡会

毎年9月に、静岡市医療救護本部と静岡市静岡医師会が中心となり、自主防災会の皆様、静岡市地区支部職員と医師会会員を対象とし、医療救護訓練の事前説明会が開催されます。ここでは、災害時の医療救護体制、医療救護訓練の説明が行われ、そのあとで訓練内容を確認するための意見交換会が学区単位で行われます。

四者会合

毎年 10 月から 11 月に、各学区単位で四者が集まり、救護所訓練の内容や、発災時の救護所設置について話し合うための会合を開催します。救護所掲示物を用いて、救護所設置のための物品保管状況と配備計画、救護エリアの設置場所の確認なども行います。

医療救護訓練

毎年12月第一日曜日に行われる地域防災訓練に合わせて医療救護訓練を行っています。ここでは救護所掲示物を用い、あらかじめ決められた救護エリアに必要物品を必要数配備し、テントを設営する救護所設置訓練を行います。さらに救護所によっては、けが人の搬送訓練や応急処置訓練が行われる場合もあります。多くの住民の方は避難訓練に参加されることと存じますが、必ず救護所訓練への参加者を確保するようお願い申し上げます。特に、活発で学校内のことを熟知している中学生と、各地域にお住いの看護師さんを訓練に参加させるようご配慮ください。

医師会では、ここでご紹介した救護所設置のための「救護所掲示物」作成、「地域防災訓練事前連絡会」「四者会合」、「救護所設置訓練」の開催以外にも、確実に医師会本部を立ち上げるための「医師会館停電対策」、救護所と医師会本部間の連絡のための「医師会ホームページ内災害掲示板」「デジタル簡易無線」「アマチュア無線」システムの構築に取り組んできました。現在の最重要課題は、住民の医療救護訓練への参加を増やすことです。大災害時においては、救護所を設置するだけではなく、たくさんのけが人の搬送、応急処置、必要物品の運搬など、多くの方の力が必要となります。被災はテレビの中の他人事と思わず、近い将来必ず我が身に降りかかることとして、医療救護訓練に参加し、救護所掲示物の現物を目にし、来るべき大災害に備えてくださるようお願い申し上げます。

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