広域避難地
地震後の大規模火災から住民の生命を保護するための広い場所(公園や緑地)です。
一次避難地
不安や混乱を防ぎ、避難・情報伝達・応急救護などを行うための身近な空間(公園、校庭など)のことです。
自主防災組織は、ここで活動します。地域住民を誘導し、炊き出しを行います。家の状態が落ち着いたらここに出かけて、情報を集めましょう。
避難所
災害により居住場所を確保できなくなった人を受け入れる施設(体育館、公民館など)です。
救護所
医療関係者が集まって医療救護活動を行う場所で、市内最大震度6 強以上または市から要
請があったときに、避難所(小学校また一部の中学校)に併設されます。救護所を併設してい
ない避難所もありますので、事前の確認が必要です。救護所ではトリアージ、応急処置、け
が人の搬送を行います。薬品が備蓄されていますが、種類や数は限られています。各自必要
な薬品を7日分程度備蓄しておきましょう。
トリアージ
災害時に多数の傷病者が同時に発生した場合、傷病者の緊急度や重症度に応じて適切な処置や搬送を行うために、傷病者に治療優先順位を決めることを言います。ある意味、死亡確認に近い判断がなされますので、非常に重大で繊細な仕事になります。
阪神淡路大震災では、多くの傷病者が病院に一時期に集中したため、重症度の高い人が治療を受けられず亡くなられた方が多数でました。このことより我々の最大の目標は、「助けられる命を全員助ける」です。
トリアージは、トリアージタッグ表を使用します。
- 赤タッグ(I):
- 最優先の症例で緊急治療もしくは直ちに病院搬送が望ましい状態です。生命の危機的状態にある症例で、気道閉塞または呼吸困難、重症熱傷、心外傷、大出血または止血困難、解放性胸部外傷、ショックなどがこの病態です。
- 黄タッグ(II):
- 優先度第2位の状態で、赤タッグの対応が終了次第治療にあたる病態です。2~3時間処置を遅らせても悪化しないと考えられる疾患で、熱傷、多発または大骨折・開放骨折、脊髄損傷、意識のある頭部外傷などです。通常なら優先的に治療されてもおかしくない疾患ですが、災害時は赤タッグが優先されます。
- 緑タッグ(III):
- 優先度が低い状態で、軽症で医師以外でも手当てができると考えられる疾患です。小骨折、外傷、小範囲熱傷、(体表面積の10%以内、気道熱傷なし)などで、鎮痛剤や湿布、添え木での固定、消毒などを行います。歩行できる方は、間違いなくここに分類されます。
- 黒タッグ(0):
- 死亡もしくは回復の見込みがない状態です。死亡診断と同等の判断になりますので、慎重に丁寧に判断することになります。呼吸をしていない、脈が触れないなど生命兆候のない症例です。平時なら時間をかけて心肺蘇生術を行い、救命を目指しますが、災害時は最低限の処置しかしないことになりますが、これが災害時のあり方です。
救護病院
市が指定する病院で手術室が設置されており、中等症患者に迅速な対応が可能な病院です。治療できない重症患者は上級病院である災害拠点病院に搬送します。葵区、駿河区にある 7病院はすべて指定されています。
災害拠点病院
救護病院が対応できない重症患者の受け入れや、他県に搬送する患者(広域搬送患者)への対応を行います。葵区・駿河区で指定されているのは県立総合病院、市立静岡病院、静岡赤十字病院、済生会総合病院です。
救急車
平時は 119 番に通報すると迅速に来てくれるありがたい救急車ですが、災害時はそういきません。消防署には葵区と駿河区を合わせても 14 台の救急車しかありません。災害発生時に皆さんが一斉に通報するとまったく対応ができません。よって、有事には優先順位が付けられます。一般の通報では救急車は来ないと思ってください。町内の自主防災組織の皆様が協力して、けが人の救護所や病院への搬送を行ってください。
自家用車や自転車
自転車はパンクしやすいので、マウンテンバイクのようなパンクしない自転車が有用です。
自家用車はガソリンが問題になります。普段よりガソリンタンクが半分になったら給油する習慣をつけましょう。
災害時の交通規制
発災時に、県公安委員会が緊急交通路、道路管理者(国・県・市)が緊急輸送路を確保するため、通行制限をする可能性があります。東名高速道路、新東名高速道路、国道一号、バイパス、国道52号が対象と思われます。横切ることは可能です。